箱女−愉しく覗き、決して開けるべからず−
[4、箱と箱と箱と箱](1/15)

 ごめんなさい。と小さく呟いた後、女は「私、椿樹里亜と言います」 と名前を告げた。


「須礼です」


名乗り会うと、店員と客の関係から一歩踏み込んだような気がして、恥ずかしくなる。話しもそこそこに、その場を後にした。


「ふーん、ジュリアちゃんって言うのかー」


覗き穴に差し込んだスプーンから、リリアがアイスを頬張っている。


「うん」


「おっぱいでかかったんだ」


思考回路を大半しめていたその情景を、リリアに読み取られた。けれど、色々なことが気になり過ぎて、それに突っ込む余裕もない。何故、ジュリアは刑事に嘘をついたのか。


「えー、好きだからじゃない?」


「は?何が、誰を」


「シンのことを」


「そんな訳ないだろ?こんな引き籠もりで、昼間にパジャマでコンビニに行くような変な男を好きになったりしないだろ」





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