メガンテ
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6) 敵に批判されても別段恐れることはない
   賞賛された時こそ用心せよ


                       ボォ ドング ジャング





 松山は、めでたく住宅ローンの事前審査に通った。減額回答だったが、彼はそれでも満足そうだった。「神無月さんのお陰です」とすっかり信頼したようで、仕事の愚痴までメールして来るようになった。その大半が、未央に対する不満だ。


 書籍化に向けて紙に起こした原稿は、既に未央の元に送られていた。しかしその加筆修正は、なかなか進まないようだった。


「連絡しても、音沙汰ないんですよね〜(泣)」


親しくなると全ての男がそうであるように、松山も甘えた口調のメールが増えていた。


「上司が俺をせっつくから、ストレス溜まっちゃって!。書跡化までのスケジュールが、御花畑未央のお陰でぐちゃぐちゃなんです!」


 母が夕飯の膳を整えながら、「今日、未央ちゃんのお母さんと会ったのよ」と、声を顰めて言った。母は何か重要な事を告げる時、囁くように言うのが癖だ。何か、未央の重要な情報を掴んだようだ。私は松山からのメールを眺めながら、次の言葉を待った。



「なんかこないだの夜、様子がおかしかったじゃない?未央ちゃん、メンタルクリニックに行ってるんだって」














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