メガンテ
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 2) 人間は本当に落ちるところまで落ちると
    もはや他人の不幸を喜ぶ以外の楽しみは無くなってしまう

                         


                    ゲーテ






 未央から連絡が途絶えて一ヶ月経った頃、こんなメールが届いた。


「もうあんなサイト嫌だ。辞めたい!」


とうとう何かあったようだ。今までも、酷い感想を貰ったと言っては落ち込んでいたが、「辞めたい」と言う程ではなかった。私は笑いを堪えて、携帯を手に取る。ワンコールで出た未央の声は沈んでいて、今にも泣き出しそうだ。


「何かあったの?」


「私の作品が、本になるの……」


 フレンドノベルピックアップスで掲載された作品には、匿名で感想を書くことができた。書籍化が決定してからは、そこに酷い中傷が書かれ始めたらしい。


「私が書籍化を望んだ訳じゃないのに!なんであんな酷いことを書かれなくちゃいけないの?もう書きたくない!フレンドノベル辞める!」


「そんなこと言わないでさ。厳しい意見もあるだろうけど、それだけじゃないでしょ?」


「そうだけど……、とにかく酷いんだから!美幸もあそこ見た?」


「ううん、見てない。あとで見てみるね」


 正直、未央が大袈裟に言っているのだと思っていた。しかし実際にレビューを見てみると、未央が怒るのも無理はない厳しい批判や、誹謗中傷が書き込まれていた。









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