箱女−愉しく覗き、決して開けるべからず−
[5、箱と箱と箱と箱と箱](2/12)

「うふ」


トモエが部屋に鍵を差し込んで、にこりと笑った。


「えへ」


俺も男の顔になって、釣られて笑った。やべ。体の中の何かが、熱く溶ける。


「あ、ちょっと、それ」


トモエが握った鍵についてるキーホルダーが、キラキラ光っているのが見えた。それはラインストーンがびっしりついた、まさしく七色に光る傘だ。


「もー」


「え、どうしたんですか?須礼さん」


「もー、何で?もー」


見付けたからには、行く。的なことをしないで、帰らなくてはならないじゃないか。


「このキーホルダーが、何か?」


「ください」


「合い鍵……ですか?」


頬をピンクに染めたトモエが、両手で顔を覆う。俺も反射的に顔を覆う。なんだろうか、この恥ずかしいやり取りは。こんな高いコミュニケーションスキルを要するミッションを、俺に与えたリリアが憎らしい。





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