箱女−愉しく覗き、決して開けるべからず−
[2、箱と箱と箱](2/9)

 空中に浮いているというよりは、水中を泳ぐ金魚のようだ。リリアの赤い髪が、金魚の尾ひれのように漂う。白くて長い足を細かく交差させて、リリアは両手で大きく空を掻いて、浮いていた。


 黒い革製のビスチェと、三角形のビキニ。首とウエストに、大きな薔薇を模したリボンを付けている。絞り上げた細いウエストの上に、殆ど溢れた大きな胸がある。それが近寄って来たものだから、


「――あ」


思わず息を飲んだ。


「ちょ、ちょ、ちょっと待って」


「何を?」


「あ、あ」


慌てた拍子に、何かを吸い込んでしまった。上顎に張り付いたそれを、唾を溜めて勢いよく吐き出す。


「羽?」


リリアの周りを、真っ白な羽が大量に舞っている。まるで、羽毛布団を破壊したような感じだ。さっき睫に触れたのは、これだったか。






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