箱女−愉しく覗き、決して開けるべからず−
[1、箱と箱](8/8)

「――え」


「貴方は私を注文してない。ねー、物事にいちいち納得できる理由をつけないといられないの?非現実的なことが受け入れられない癖に、ファンタジー小説は大好きなのね!」


「――あ」


枕元にある単行本は、少年が異世界に飛んで冒険をする話だ。子供の頃から、この手の話が好きだった。それに……、テレビの横に積んであるゲームに視線が泳ぐ。しかし口に出す前に、先回りされる。


「貴方がはまってるゲームのキャラがリリアでしょ?ツインテールの赤毛で茶色の瞳の、私にそっくりな。あんな子いたらなーって、たまに思ったりする癖にさ」


拗ねて尖らせた口元が、ちらと見えた。ピンクのグロスが、キラキラ光る。。


「あ――」


「同じ名前が嫌だったら、他の名前に変えてもいいよ。ジュリアとか、アリアとか、らしいヤツで」


「――リリアでいいよ、でも……」


「あ、警察に届けようって、思ってる!じゃ、いいよ。警察に連絡してもいいから、一回覗きなよ!」





- 29 -
前n[*][#]次n

/56 n

⇒しおり挿入

⇒作品艫激rュー
⇒モバスペ脾ook


[←戻る]