メガンテ
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「私は誰より、ミユキに認められたかった。その為に、」


その為に、――最後の一文を指でなぞると、体が震えた。未央の遺作には、殆ど私のことが書かれていた。


「その為に、」


未央はその次に、何を書こうとしていたのだろうか。何故、書きかけの原稿を私に送りつけたのか。


「で、どうしますか?」


中山は数日後に現れた。私の行動など、お見通しというように。 


「どうしますかとは?」


「出版ですよ」


「あれには私のことばかり書かれていましたし、そもそも完結していませんでしたよ」


「貴女のことだらけなのも、完結してないのも知ってますよ。だから、貴女が物語りを完結させてください」


「何故私が?原稿をお渡ししますから、そちらで勝手にやってください」


「逃げるんですか?」


「分からないんです。未央の気持ちが。未央が何をしようとしていたか」


「その物語は、貴女の物語ですよ。答えは貴女の中にあるのでは?」







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