メガンテ
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「私は家には帰らない」


「何処に行くのよ!」


「未央にでも置いて貰う。仕事が見つかったら、一人暮らしするし」


「そんなこと、できないわよ」


「できるよ!」


私の叫び声を聞いた中年の看護士が、病室に飛び込んで来た。


「お嬢さんを興奮させるようなことは、言わないでください」


外に聞こえないように、声を潜める。そう言えば、さっきから大勢の人の気配を感じていた。


「外に誰かいるんですか?」


「刑事さんが何人か……。けど、無理しなくて良いのよ。貴女は、自分の体だけを心配していれば良いの」


「はい……」


看護士が出て行くと、母はその事実を告げた。


「未央ちゃん達、亡くなったのよ」


「え?」


私は母の顔から視線を逸らして、父を見上げる。








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