メガンテ
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「謝らなくて良いよー」


そこで暫く無言になった未央が、急に真剣な声を出した。


「美幸の気持ちは嬉しいけど。私、もうそういうの止めるよ」


「止める?」


「書籍化とか、そういう夢みたいなこと考えるの、止める」


「夢じゃないよ!未央にとっては、もう夢じゃないじゃん!」


今までのように話に乗って来ない未央に、焦りを感じながら必死に捲し立てた。


「未央は、人気作家なんだよ!みんなの夢なんだよ!」


「えー!でもね、そうじゃなかったんだよ。PN変えて戻ったら、全然読まれないもん。あれは運営部が、私をピックアップしてくれてたから読まれてたんだ。私の実力じゃない。広告に使われたり、私の一位は作られた一位だったんだよ」


「けど、モバスタだって人気あったじゃん!あそこは実力でしょ?」


「だって、フレンドノベルと同じPNで書いてたんだもん。実力かどうか、怪しいもんだよ。美幸の気持ちはありがたいけど、今は仲間と書いてる方が楽しいから。じゃ、また電話して!これからバイトなんだ」


そう言って、こちらの言葉を待たずに電話は切れた。もう私は、未央の感情をコントロールできなくなった。それは未央が私を、尊敬の対象として見なくなったからだ。沸き上がる悔しさや焦りが、集中力をくれる。


どこかへ飛び立とうとしている未央の足を掴んで、引き摺り下ろす。そんな計画が、頭に浮かんでいた。





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