メガンテ
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「ちょっと、熊子の天敵がHBで、月河の天敵が熊子じゃない?それに綾瀬川って言ったら、ファンタジーばっかり酷評して回る気持ち悪い男じゃない」


「だから面白いじゃない。中世を舞台にしたマッチョ男のアクション物ばっか書いて、若い子にきついこと言って回る人が、実際はどんな感じか知りたいじゃない?」


「ま、興味はあるけど」


「美幸も来る?」


「勘弁してよー」


そのオフ会も、未央が考えている企画に何か関係あるのだろうか。しかし、私は成瀬の一件で疲れ果てている。そんなことに関わる気力すらなかった。


「まだ、具体的には決まってないんだけどね」


「未央も、物好きだね」


未央は私の言葉に肩を竦めて笑うと、鼻の穴から煙草の煙を吐き出した。


「私だって、色々考えてるんだよー」


歌うように言って、にやりと笑った。そのチェシャ猫のような笑顔が、それから暫く脳裏に焼き付いて、ふとした瞬間に痛み出す親知らずのように私を困らせた。








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