メガンテ
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「私を?」


「そ、看護婦さん達がね、神無月先生の家がこの辺だって話してたのを偶然聞いて。駅をはってたー」


少年のように微笑む。そして誉めて欲しそうに、私の顔を覗き込んだ。


「あの、何か?」


「俺、お嬢さんに一目惚れなんです。あの後、またお見舞いに来てくれるかなーって思ってたのにさ」


「来てくれないんだもん」と、頬を膨らませた。


「やっと会えて、嬉しいです」


成瀬は美しい男だった。しかし、その冷淡な美しさが怖かった。


「で、何かご用ですか」


「会いたくて」


「はぁ……」


唖然とする私を見て、成瀬は面白そうに笑った。高校生の集団が、嬌声を上げて通り過ぎる。それ程に、成瀬は目を引く男だ。恐怖心が和らいだ訳ではなかったが、正直、悪い気はしなかった。


「じゃ、また会いに行きます。俺、これから仕事なんで」


「仕事、何してるんですか?」






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