メガンテ
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 未央の口から次々と語られる、作家達、その作品、文章作法、その全てに、言いようのない不安を覚え、そして恐怖すら感じた。未央が、私とは全く違う次元へ羽化したことに。


「未央の出版される作品って、ほころびの日記?」


「うん、春に出版されるみたい」


「そうなんだ。おめでと、どこから?」


「セサミブックス」


「そうなんだー、今度こそ、絶対買うからね」


「美幸には、贈るよ。もう、私の為にお金を使わなくても良いよ」


そう言って未央が、バーの支払いを全て済ませる。


「ちゃんとバイトしてるし、お金あるから。もう、美幸には頼らない」


 ふらつく成瀬はバーを出ると、洋介が乗って来たと言うバイクの後ろに跨って奇声を上げた。


「兄貴、落ちるなよ」


ヘルメットは髪型が崩れるから嫌だと拒否する成瀬に、無理矢理それを被せながら洋介が呟く。


「HBて、ホンダバイクとか?マジうけるんだけどー」


未央が大声で笑うから、洋介は小さくなってぺこぺこ頭を下げた。







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