メガンテ
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「成瀬さんだよ!」


未央らしい。私の表情とか、空気とか、全く関係ないんだ。私は机に向かって、パソコンに集中している振りをした。今は、未央の恋愛話なんて聞いてる気分じゃない。


「ねぇ、美幸も一緒に来てよ」


「なんで、私が」


「だって、おじさんの話じゃ、成瀬さんは進学高校に通ってて優秀だったんだけど、東大受験に失敗してから、病気になっちゃったんだってー。私馬鹿だから、成瀬さんと話が通じないかも知れないじゃん?」


「い、や」


「ねぇ、ねぇお願い!その変わり、美幸の執筆活動を手伝うからさ!美幸が書いた作品を批評してさ、どうしたら面白くなるかアドバイスするから!」


私は思わず、そんな未央を振り返った。この私にアドバイス?ちゃんとした小説の書き方も知らない未央が?人気があるからって、思い上がるのも良い加減にしろよ!携帯小説で人気があるからって、そのまま作品の評価に繋がらないんだぞ!怒鳴りたい気持ちを、ぐっと堪える。


「分かったよ、一緒に行くよ。そうだね、未央にアドバイスして貰ったら、きっと面白い作品が書けるよね。未央の作品、どれも素晴らしいもん!」


「うん、絶対だよ!」


こんな未央に、私の嫌味が通じる訳はない。








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