メガンテ
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「シャーベットさんって、やっぱり凄いよ」


「そうだね」


「あ、シャーベットさんの作品読むから、美幸はちょっと黙ってて」


「なんて作品?」


「レジェンド、オブ、デザート。壮大なファンタジー小説なんだよ、シャーベットさん自身を知るには、これを読まないといけないんだって」


「え?読まないと、いけないの?」


「そう!」


未央はそう言って、四十話ある長編を読み始めた。恐らく、今までこんな長い小説を読んだことはないだろう。未央をそんな気持にさせる、シャーベットが凄い。これがまさに、言葉の魔法なんだろうか。


しかし、「作品を読むと自分が分かる」なんてシャーベットの営業力に笑ってしまう。単に、自分の作品を読ませたいだけじゃないか。


 私もシャーベットのブログを読んだ。美しく、耳触りの良い言葉ばかりが並んでいる。しかし、この思いやりに溢れた言葉は、この作者の砦のように思えた。


 この美しい砦があるから、シャーベットは偽りの自分を保っていられる。しかし砦の中には、誰も知らない醜いモンスターが潜んでいる。そう、感じた。


 この感覚はきっと、Sweet*Kettleが私に接近したのと同じ。つまり、悪意は悪意を引き寄せる。そうに違いない。








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