メガンテ
[6](2/8)

 母が未央の秘密を打ち明けた瞬間に、私は松山にメールを返す。


「未央はどうやら、メンタルクリニックに通ってるようです」


「えー。御花畑未央の状態が、そんなに悪いなんて……。実は、彼女に連絡が取れないんです。ヤバイなー。今度会って、詳しく聞かせて貰えませんか?」


「良いですよ」


返信してニヤニヤ笑う私を、母が訝しげな顔で眺めている。


「未央ちゃんの相談に乗ってあげたら?母子家庭で、色々問題を抱えてるのよ」


母は上に立つ者の傲慢な優しさで、そう提案した。


「そうね」


しかし、その提案は却下だ。そして考えた。何一つ、私に勝てなかった未央が、唯一私に勝てた物。それを奪ってやったら、未央はどうなるんだろう。



 私が細々と運営しているホームページ。アクセスも殆ど無い。私はそこを隠れ家として、ドス黒い感情を書き連ねていた。掲示板や私書箱を設置していたが、そんな私と関わりを持ちたいと思う人は、当然いなかった。しかし、今日は珍しくメールが届いている。どうせ、アダルトサイトの勧誘だろうと確認して、唖然とした 。


「Sweet *Kettleと申します......」


ぞっとした。背筋に冷たい汗が滴る。小刻みに体が震えるのは、恐怖からか、それとも興奮からか、自分でも良く分からなかった。










- 58 -
前n[*][#]次n

/323 n

⇒しおり挿入

⇒モバスペ脾ook


[←戻る]