メガンテ
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「しょうがないな〜」


 フレンドノベルに飛ぶと、未央が言うように匿名掲示板が出来上がっていた。


「携帯小説の書籍化がヒットする鍵は、作家と読者が交流することである」
と、新聞に書いてあったのを思い出した。フレンドノベルも、そのセオリーを実行しようというのだろう。


 その匿名掲示板は、会員がスレッドを立てて好きなお題について語ることができるようだった。その中に、「御花畑未央を語ろう!」のスレはあった。スレ主は例の「Sweet *Kettle」。


 スレッドの主旨は、「未央の作品を語る」らしい。 未央が泣いていた理由は、これだと思った。面倒臭い。私は直ぐに、携帯の電源を切った。未央なんか一晩中、泣けば良いんだ。













 激しく体を揺すぶられ、悲鳴を上げて飛び起きたのは午前一時過ぎ。真っ暗な中に、ぼんやりと光る灯。それが携帯の画面だと気付くのに、暫く掛かった。


「え、未央?」


仄かな光に照らされた未央の横顔が、涙で濡れているのが分かる。未央はベッドサイドに正座して、じっと携帯画面を見つめていた。子供っぽいキルティングのパジャマに包まれた肩が、小刻みに震えている。


「未央、何でここに?」


恐怖に歪んだ母の顔が、ドアの隙間からこちらを窺っているのが見えた。












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