メガンテ
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「勿論、未央には内緒にしておきます。今夜は知らない業界のお話しが聞けて、楽しかったです!良かったら、また誘ってください」


送信したと同時に、携帯が激しく震える。勿論、未央からだ。


「何?」


思わず、不機嫌な声になった。


「さっきは、ごめんね?まだ……、忙しい?」


「もう家だけど、何よ?」


「み、美幸ぃ〜。もう嫌だぁ〜」


煩わしい!大袈裟に溜め息を吐くと、その嘘臭い泣き声がぴたっと止まった。


「今帰って来たばっかりで、疲れてるんだけど」


「あ、あそこ、見てくれた?」


さっきとは打って代わって、下手に出る嫌らしいやり方。未央らしい。自分が傷ついた時だけ、苦しい時だけ、それを他人に分かって貰いたい。自分勝手で、幼稚な女。


「まだ」


「何で!お願いだから、見てよ〜」と、また泣き声を張り上げる。


「分かった。分かったよ。未央が電話を切らないと、フレンドノベルを確認できないでしょ?」


「じゃ、見たら電話してね。絶対、絶対、電話してね」


未央が電話を切っても、暫くはその泣き声が耳に残っていた。











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