メガンテ
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「美幸!何してんの!何回も何回も電話したんだよ!」


「今日は、仕事なの。あ、実はね……」


松山の話をしようとすると、興奮した声に遮られた。


「ちょっと、今何処?何回電話したと思ってんの!?」


「ごめん、今まで仕事だったんだ……」


「仕事って、もう八時じゃん。銀行はそんな遅くまでやってないでしょ!いいから聞いてよ!」


「こっちはアルバイトでやってる訳じゃないんだよ!私があんたよりリッチなのは、こうして遅くまで働いてるからなんだよ!」


「美幸……?何で怒るの?」


未央の戸惑う声がする。なんでこんな女が、「私」より良いんだ?こんなに自分勝手で馬鹿な女書く作品が、フレンドノベルでは読者に愛されるんだ?くだらない!くだらない!くだらない!やるせない気持ちになって、一方的に電話を切った。


「大丈夫ですか?彼氏とか?」


店内まで私の声が聞こえたのか、松山が恐縮しきった顔で聞いてきた。


「俺が誘ったからですよね?お客さんからの誘いだから、無理したんですよね。気付かなくてすいません」


「違いますよ。友人です。自分が困った時だけ、私に頼ってくる。どうしようもないヤツなんです」


「御花畑未央なんですけどね」と、何気なく言うと、松山は予想通りのリアクションをした。


「え?」


グラスを口に付けたまま、固まっている。


「嘘でしょ?」


「嘘じゃないですよ。御花畑未央とは、幼稚園からの友人です」











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