メガンテ
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「――事前審査でもしてみたらいかがでしょうか?簡単な審査で、お客様の借り入れ限度額が分かります。事前なんて言ってますが、基本的には本審査と変わりませんから、計画が立てやすくなると思うんです」


「でも、平日はなかなか時間つくれないもんで……、今度は何時来れるか」


「休日相談も行ってますよ」


松山は嬉しそうに顔を綻ばせて、えっと……と、猫のキャラクターの手帳を開く。


「来週の土曜日だったら、時間が取れるんですけど」


源泉徴収票、会社概要、運転免許証、印鑑など、必要な物を伝えて申し込み書を手渡す。それを松山は、パンツを覗かせた女の子のフィギュアが付いたボールペンでメモしていた。


ちらと覗くと、「源泉徴収」を「厳選徴収」と書いている。何を厳しく選ぶんだ?I LOVE BOOKS が泣くぞ。と心の中で悪態を吐いた。





 … ◇ … ◇ …




「美幸このあいだはごめんね」


妙に弱々しい口調で未央から電話が来たのは、それから二〜三週間後だった。 


「こっちこそごめん、ちょっとしたことで怒ってしまって」


「実は、私の新作をアップしたんだけど……。また変なレビューが付き始めて」


 未央が復活してから、私はフレンドノベルをアクセスしていなかった。未央と未央のフアン達による馴れ合い祭りを見ていると、我慢ならない位に苛々した。それに、趣味に感情を乱され逆にストレスを感じるのならば、やってる意味がないではないか。


 未央の新作は、連続殺人犯と女刑事が互いの素性を知らないまま恋に落ちて行くストーリーだった。フレンドノベルでは珍しい、ガンアクション物だ。人気作家未央の新作とあって、応援する声が沢山寄せられていた。


 その中に不思議な感想が書き込まれていた。














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